「HCD-Net 関西フォーラム2015 ~今、HCDを見つめなおす~」
「実践インタビュー調査入門」ワークショップ
早川 誠二氏 (人間中心設計よろず相談・元HCD-Net理事)
早川先生にお会いするのは二度目。
前回は神戸のセミナーで、道に迷って遅刻して先生のお話を聞き逃したにもかかわらず、懇親会では「人間中心設計スペシャリストの資格更新ポイントの取得がよくわからない」というクレームをいれさせていただいた。あのときは大変失礼しました。
午前のワークショップで「インタビュー」を選択したのは、7月に参加した「ユーザビリティ評価(名古屋)」の演習でモデレーター役を行った際に、奥泉先生からビシビシ指摘をいただき、自分には「聞く力」が足りないと認識したため。
また、聞き方を誤ったことで、被験者からニーズを引き出すチャンスをつぶしてしまったことを、直接の指導によって実感できたことから、もっとインタビューのテクニックを学びたくなったこともある。
【調査の目的を明確にする】
振り返るとこれが一番重要だと再認識できる。
演習では、「目的についての事象と感情を聞き出す」のではなく、「思いついたことを質問する」だけになってしまった。
限られた時間で慌てていたこと、インタビューアー間で目的やシナリオが一致しないまま各々が各々のタイミングで質問をしてしまったことなどが原因だが、今後時間をとって取り組む際には十分注意しよう。
【3人の自分を働かせる】
「心理」、「論理」、「管理」の一人三役の説明がとても分かりやすかった。
ラポール形成はやはり大事。また、インタビューイーに対して共感できなければ、発言に対して「なぜ?」と思う気持ちもわいてこないだろう。
アンケートの質問として書いておいた、「インタビューイーの発言を自分の言葉に置き換えたり、要約して確認する場合に、答えを誘導しないよう気をつけたいのですが、何かコツはあるのでしょうか?」という質問に、本日とても分かりやすい内容の回答をいただいた。
早川 誠二氏 (人間中心設計よろず相談・元HCD-Net理事)
前回は神戸のセミナーで、道に迷って遅刻して先生のお話を聞き逃したにもかかわらず、懇親会では「人間中心設計スペシャリストの資格更新ポイントの取得がよくわからない」というクレームをいれさせていただいた。あのときは大変失礼しました。
また、聞き方を誤ったことで、被験者からニーズを引き出すチャンスをつぶしてしまったことを、直接の指導によって実感できたことから、もっとインタビューのテクニックを学びたくなったこともある。
振り返るとこれが一番重要だと再認識できる。
演習では、「目的についての事象と感情を聞き出す」のではなく、「思いついたことを質問する」だけになってしまった。
限られた時間で慌てていたこと、インタビューアー間で目的やシナリオが一致しないまま各々が各々のタイミングで質問をしてしまったことなどが原因だが、今後時間をとって取り組む際には十分注意しよう。
「心理」、「論理」、「管理」の一人三役の説明がとても分かりやすかった。
ラポール形成はやはり大事。また、インタビューイーに対して共感できなければ、発言に対して「なぜ?」と思う気持ちもわいてこないだろう。
大切なのは聞き出した「事実のみ」を論理的想像力で、お互いが分かり合えるように再構成して伝えること。自分の悪い癖として、確認を取る際に、つい自分の解釈や思い込みを入れて「こう思ってるんでしょう?」と同意を取りたがるのを抑えなければ。
【聞きながら見る】
聞きながら相手の反応を観察できるくらいの余裕を持てるようになるには、かなりの場数を踏まなければ。
「聞く」、「見る」、「メモする」流れのテンポが身についていない。
【インタビューの実践】
プロジェクトの目標:
聞きながら相手の反応を観察できるくらいの余裕を持てるようになるには、かなりの場数を踏まなければ。
「聞く」、「見る」、「メモする」流れのテンポが身についていない。
プロジェクトの目標:
楽しく、快適な「出張」を実現するための、これまでにない製品・システム・サービスを提案する
結果、本質的な要求が見えずに抽象的な修飾語ばかりが並び、予想で議論を進めざるを得なくなることで、成果物の根拠が乏しくなってしまう。
何度か経験したことがあるが、出だしが難しい。アイデアの方向性と完了までの時間は一番最初の「ユーザーの事象」の分類によって大幅に変わると思う。時系列、事象の種類、利用シーン、活動内容、ポジティブ、ネガティブ、モノ由来…。データ分析に慣れた人の進め方を見てみたい。
「HCD(人間中心設計)とアンドロイド研究 」
石黒 浩氏(大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授)
「行動観察:組織とイノベーション」
松波 晴人氏(大阪ガス行動観察研究所 所長 兼 オージス総研 行動観察リフレーム本部 技術開発部長)
「シンギュラリティとHCD」
松田 卓也氏(神戸大学名誉教授)
「人間工学を活用した開発事例 ―自動車のドラビングポジションの開発―」
大坪 智範氏(マツダ株式会社 車両開発本部 車両実研部 主幹)
デザインの思想やテクノロジーの新規性をダイレクトに伝えるプロモーション展開と同時に、「走る歓び」や「ドライビングポジション」という人間中心のアクティビティを通じて、クルマの楽しさや安全性の向上を消費者に伝えることで、マツダファンが増えていくのだろう。
人間中心を推し進めた、「人間にとっての理想」を中心に設計・デザインされた一つ一つの成果が、デザイン部門や開発部門との妥協の結果ではなく、「すべての関係者にとっての理想」を互いに受け入れて、互いに限界まで追求し、奇跡的に合致した結果であるということに感動した。
いままで「デザインの理想」は開発に一方的に投げてきたが、「開発者の理想」に耳を傾けたことはなかったし、互いに確認するのは「都合」だけだった。「理想」をぶつけ合うプロセスと「都合」をぶつけ合うプロセスでは、完成したプロダクトの質はまったく異なるに決まっている。
実践的なワークショップと、”関西らしい”豪華でバラエティに富んだ講演の内容で、とても満足できたフォーラムでした
主催者の皆様、講師の皆様、登壇者の皆様、本当にありがとうございました。来年も期待しています。
宮島敬右
主催者の皆様、講師の皆様、登壇者の皆様、本当にありがとうございました。来年も期待しています。
【UX SHIGA 第1回】 ─UX概論・ミニワークショップ・チームビルディング
「学びの態度」について改める第一歩として、拙いながら体験の「外化」に取り組みます。
基本的には講義の内容の説明ではなく「思ったこと」の列挙になりますが、UXに関しては「年齢的に出遅れた出来の悪い生徒」であることを自認しているので、記憶の誤りや誤解があればご指摘ください。
【学びについて】
(あくまで個人の思いとして)過去のUX Kobeのワークショップで、「習えば分かると思っていた」私に対しての、浅野先生からのダイレクトな指摘と受け取った。
「習えば分かると思っている」という意識の浅はかさと、「学びの態度」についてずっと心に引っかかっていたので、今回改めて分かりやすく説明していただき、感謝しております。
先日参加した別のワークショップでも、本題の前にJigzaw法のミニ・ワークショップに取り組んだこともあり、
「省察」と「外化」の重要性と、「体験」を「経験」に昇華するプロセスについてさらに理解が深まった。
この文章を考えながら書いている今の「外化」の活動が、きちんと「エピソード化された体験」になるといいのだけど。
【状況に埋め込まれた学習】
私もその渦中。所属する組織もまたその渦中。
「ルーチンスの水瓶」を思い出した。おそらく心理学的にもその傾向に陥りやすいのだろう。
自分でリフレーミングしなければ。やり方と範囲も自分次第。
【UX/UXD/HCDとは】
「すべてはサービス」というのに気づくのが遅かったのが、今を生きるデザイナーとしては致命的だったと後悔。HCDやUXにふれるまで、ユーザーが望む体験を「機能を提供すること」でしか考えていなかった。
結果的に「多機能主義」に邁進し、「ユーザビリティ」を低下させるという矛盾に陥っていたが、機能の○×で優位を競い合う製品カテゴリにおいて、UXでの優位性を訴えるのは相当な根拠と実績が必要だ。
「問題を定義する」=「問題を発見する」こと。
最近読んだどの本だったか忘れたけど、「目に見える問題のほとんどは”症状”であり、”問題”はもっと深いところにある」という内容を思い出した。同じく、先日参加したtakramさんのワークショップでいただいた金言「問いを問い直す」、「問いの質が、答えの質」もリンクした。
UX担当者に 求められるのは「問う」姿勢と、問いの答えをユーザーから「聞き出す(引き出す)」能力なのだろう。
【調査】
UXとはあまり関係ないけれど、コンテキストの干渉でビッグデータの信憑性も変わってくるとなると、今後はデータ分析の手法が進歩するのか、それとも消費者行動の監視が進歩するのか興味深い。また、ビッグデータについては人々が「意識していない行動」も傾向が見えてくるということに期待する人も多い。
個人的には「利用シーンとコンテキスト」こそHCDに取り組むにあたって、最も分かりやすいヒントを与えてくれる情報だと考えている。調査の実践は今後のUX Shigaでのワークショップを通じて、まずは体験したい。
【ビジネスエスノグラフィ】
インタンジブルを見つけるための、「視座の切り替え・リフレーミング・マインドセット」(byオージス総研 松波様)
「利用シーンとコンテキスト」に沿った「人の感情(の源泉である本質的要求)」をいかに見抜き、聞き出し、分析するか。
【経験デザインワークショップ】
モノからコトへの視座の切り替え、ペルソナ/シナリオ法の考え方が、手を動かす体験と記憶で正しく刷り込まれた。
ペルソナは、根拠を疑われる「諸刃の剣」になる苦い経験があるものの、費用のかけ方とマッチング次第で強力な説得材料になるだろう。シナリオ法は何度か取り組んでみたが、想像力、共感力、表現力、文章力…とさまざまな感性が求められるのだが、説得力を持たすには論理性も同時に求められるので、大変しんどい。意図的に毎回仕事に織り込む努力をしないと発達は望めない。
【マシュマロビルディング】
「失格」なので、コメントする権利はないのだけれど。
コミュニケーションはとれていたが、ワークショップ特有の譲り合いの場においての「自分がイニシアティブをとらなければ」という意識が悪い方向に働いたように思う。同じグループの方々、申し訳ありません。
デザインの仕事をするときは必ず完成形を想像してから取り掛かるのに、なぜこんな結果になってしまったのか。冷静に考えれば、内部に知識がないなら、普段どおり外部から情報を取り込めば(検索すれば)確実だったな。
では、次回もよろしくお願いします。
宮島 敬右